関わっていただいたみなさん、ありがとうございました。やったぜ。
久しぶりのコント。さらに久しぶりの台本書き。そしてギクシャクするチーム。
そして古参としてのプライド。そんなの必要ねえかもしれないけど、あるんだよ。
正直、結構緊張しました。テキストへの自信がない中でやる舞台は、まあ緊張します。
でも「勝たなきゃダメだ」と必要以上に言葉にして結果勝てたのは、安心だしやはり嬉しい。
そりゃ、敗けたくねえもの。メンバー増えるってことはそれだけ個人が薄まる、てこと。ポジションの奪い合いだってこと。
じゃあ勝負して勝つことが、一番の存在証明。
大袈裟?でも「役割」も「個性」も、そうやって自分で勝ち獲って自ら提示するもの。有用性なんて誰も見出してなんてくれない。
アガリスクエンターテイメントで10年やって、俺は今そう思う。
せっかくなんで簡単に自作解題。
@『ステラおばさんVSクレアおばさん』
このチームに決まった段階で「鹿島と沈に喧嘩させよう」とは思ってた。が、題材が思いつかない中、打ち合わせで誰かから出たアイディア。
予想通り、タイトルコールが一番ウケた。
コンセプトは「ソリッドシチュエーションどっちの料理ショー」。出オチ以降どう転がすか苦戦したが、「情報の小出し」というアガリスクの得意スタイルで展開。
オチも気に入っている。
反省点としては短尺の割に途中一回落ち着いてしまう構造と、クレアおばさんに「ステラおばさんじゃねえよ」と突っ込ませるという個人的会心のネタがウケなかったこと。
A『九州』
アホな女子の会話を書いていたらムカついたんでバイオレンスに。こういう安易な「あるある会話ネタ」へのアンチテーゼでもあるとかないとか。
そしてヤケにお節介でうるさい店員、てキャラクターは三谷幸喜の「バッドニュース・グッドタイミング」のオマージュでもあるとかないとか。
書きながら「タランティーノの『デス・プルーフ』みたい!」と筆が滑っていくのを自制しつつ、それでも趣味に走ったので好みは分かれるだろう。実際そうだったと思う。
キャラクター配置が上手いこと行ったのは完全に古参メンバー効果。単純なお互いの付き合いの長さだけでなく、必要なのは個性の客席との共有度。と完全に「レザボア・ドッグス」なオチは、だけど他チームのどの作品よりキレイだと自負している。
あと「野坂昭如!」てツッコミが伝わらなかったのが意外だし悔しい。
今度他チームの作品の批評でもやろうかな。嫌われるかな。
2本とも俺がテキスト化したのもあって、正直かなり趣味に走った。そしてそこに関しては、正直ウケた、とは言い難い。
ただ以前、似たような趣味丸出し作品を作った時とは全然手応えが違う。結果だけじゃなく、一個の方法論とまでは行かないが、「俺のやりたいこと」を客席と共有するためのヒントはあったと思う。ちょっとまだ確定的なものではないけど。
また、本番直前まで台本直したり、「ウケる言い方」について細かく調整したり、ネタ作りが良くも悪くも「アガリスクスタイル」そのまんま。
まあ、俺はこれしか知らんし、それにサクッと対応してくれるメンバーで、そういう意味では非常にやり易かった。ギスギスし過ぎだけど。
まあ、予選なんでね。そういった諸々を踏み台にして高いステージに上がらなきゃ意味ないので、今日の発見と反省と手応えを背負って。
首を洗って待ってろよキングオブコント。もう記念受験には絶対できない。